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朝日新聞夕刊4/25の記事

今日の夕刊1面に,次のような記事が掲載されました。
http://www.asahi.com/national/update/0425/TKY200704250091.html

「裁判員時代の公判調書、自動化なるか 方言認識など課題」

余りにも無責任でひどい記事なので,少しでも誤解を減らすように書いておきたいと思います。

まず,音声認識の問題は,方言認識の課題まで,とてもたどりついてないはずです。
法廷で話されるのは,原稿の読み上げなどではない「自由発話」であり,更に,2名とは限らない「複数話者」の発言を処理しなければなりません。
法廷で行われるやり取りの中身も,質問で追いつめていく高度な言葉の駆け引きです。明瞭に答えないどころか,わざとあいまいにしてごまかそうとする発言が多く,不明瞭なところほど大事な発言ということがよくあります。
せっかく引き出した大事な答えを,アナウンサーのような明瞭な音声でなかったからといって,認識できませんでしたなどでは済みません。ましてや,誤変換は許されません。
法廷のやり直しのきかない一度きりの大切な証言を,海外の法廷でも例のない,生のやりとりを直接音声認識させるという方法でやろうとする最高裁の気が知れません。
今年度はNECにつぎ込んだお金は1億3000万でしたが,これから何億つぎ込んでいくことになるのか,いつ出来上がるのか,技術的に作ることが可能かどうかさえ,「複数話者の自由発話」はこれから開発しなければどこにもない技術だけに予想がつきません。
そして,「自由発話」や「複数話者」の壁を乗り越えても,登録しておかないと決して正確には出ない「固有名詞」問題があります。そして,どこも手を付けていない「方言・なまりの問題」と続きます。
2年後の裁判員制度開始時に,音声認識で調書ができるという人は,今裁判所の中にはいないでしょう。
検索,「頭出し」も,どの程度のものができるか不明です。
現在,最高裁は,「裁判員制度では必ずしも公判調書は必要でない」という言い方をするようになりました。そして,刑事訴訟法の一部を改正して,法廷でのビデオ録画を可能にできるように法制審にかけて進めているところです。

「公判調書,自動化」は,既にIBMがやって頓挫していることで,なぜ朝日新聞の記者が今こんな夢のようなことを書くのか,理解に苦しみます。

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