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2008年5月

速記官の法廷の机に見る最高裁のいじわるっぷり

2008年5月28日,最高裁から「新しい速記官卓子の使用について」の説明がありました。

これまでのいきさつ

2001年にステンチュラの法廷使用が許可になりましたが,速記官の法廷の机が,ステンチュラ対応型でないためいろいろと不都合がありました。

全国各地の速記官が,裁判員法廷の増改築の際に,速記官の机を改造又は新しいステンチュラ対応型のものにしてほしいと要望しましたが,最高裁からは私物のステンチュラのために改造はできないという回答でした。

2005年から,全司法や速記部同窓会を通じて要望してきましたが,裁判員法廷の改築はどんどん進められ,速記官の机については,従来の机の構造のままの新しい机が設置されたところと,二,三十年たった机でも更新されないところがありました。

昨年11月,急に新しいステンチュラ対応型のものを支給するという進展がありました。

(詳しくは2007年11月20日の本ブログ記事を御参照ください)

http://kimi-koni.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_b87f.html

今回の説明

新しい速記官卓子の使用については,さきに使用図面を示して意見,要望を聴取したところであるが,速記官及び職員団体から出された主な意見等及びそれについての検討結果を別紙のとおり取りまとめたのでお知らせする。

今後,この検討結果を基に技術的な細部を詰めて使用を確定し,本年度以降,法廷の増改築等により,新規に整備する必要がある法廷に整備していきたいと考えている。

法廷の増改築なんて,そうそうあるものじゃありませんし,裁判員法廷のための増改築ももうひととおり終わっています。

速記官は日々困っていますし,法廷の電子機器の増加で,ますます居場所に困る状態は深刻です。

また,ばらばらくれるんなら,半年も掛けて仕様の統一なんてしなくても,その法廷と速記官の要望に合ったものを設置することに決めてくれたのでよかったのではと思います。

一方で,裁判員法廷の増改築で書記官の机はすべて新しく立派なものになりましたが,更に最近の音声認識システムの設置で,最高裁はこんなことを言ってます。

「音声認識システム等のOA機器の操作がしやすいよう,書記官卓子の形状を変更することも検討中である。」

最高裁も,要望が出る前から,親切に迅速にも動けるじゃないと,ちょっとむかっときませんか?

裁判員が確認したい場面、即座に再生…最高裁が新システム : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

リンク: 裁判員が確認したい場面、即座に再生…最高裁が新システム : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

裁判員が確認したい場面、即座に再生…最高裁が新システム
 来年5月に始まる裁判員制度に向け、最高裁は証人尋問などを録画し、裁判員が確認したい場面を即座に再生できるシステム(音声認識システム)を開発し、28日、公開した。

 このシステムは証人尋問や被告人質問での発言内容を自動的に文字データ化して映像とともに記録し、キーワードを入力すれば、該当の発言場面をすぐに呼び出せる仕組み。「実況見分」で検索すると、この言葉が使われた場面の一覧がモニターに表示され、その中から見たい映像を選べる。

 これまで正確な発言内容を確認するには、速記録などの書面ができあがるのを待つ必要があったが、このシステムを使えば瞬時に確認できる。開発費は4億円。最高裁は実際の裁判で試験運用し、今年度中に裁判員裁判が行われる全国60の地裁・支部に配備する予定。

(2008年5月28日22時49分 読売新聞)

読売新聞は,最高裁が説明したからこう書いたのでしょうが,わざわざ速記を引き合いに出して悪いイメージを擦り込んでいる記事に怒りを覚えます。

発言内容を確認するのは,もう50年も前から速記には訳読という制度があります。
「さっき何と言いましたか,速記官,そこを読み上げてください。」と言われれば,速記官がすばやく該当箇所を探して,速記符号を日本語に訳して法廷で読み上げるという制度です。

10年前までは,紙に印字された速記符号を読み上げていましたが,今は法廷にパソコンも一緒に持って入っていれば,リアルタイム速記システム「はやとくん」が瞬時に日本語に文字データ化してくれるので,読み上げも簡単です。バックスクロールも検索もその場でできます。

陪審制をとっている米国の裁判でも,法廷速記者がその点で珍重されているようです。米国製の一番新しい速記用タイプライターの「ステンチュラ・フュージョン」は,従来の検索機能に加えて,その箇所の音声を瞬時に再生する機能を持っています。

日本語対応型のステンチュラ・フュージョンも2年前に発売されているので,その機械を速記官に配布すれば,4億の開発費など必要なく,音声の再生ぐらいはできます。映像へのリンクも技術的に可能です。

確認するのに速記録を待つ必要があったなどと悪口を言う前に,速記官にステンチュラ・フュージョンを支給してもらいたいものです。
全国の速記官の80%以上が,自費で約50万円をかけてステンチュラを購入していますが,もう六,七年たっているので買い替え時期です。インクやバッテリーなどの消耗品も,私物を理由に最高裁は支給してくれないので大変です。

先日,速記官が1人しか配置されていない地裁で,証拠保全のための公判開始前の証人調べが行われ,2時間1人で立ち会い,その後すぐ2時間近く掛けて訳読を行ったことを聞きました。

最高裁が,「はやとくん」のシステムを見ようとさえしないのもひどいですが,速記官が実際にしている仕事ぐらい,正確に知って,間違った広報はしないようにしてほしいと思います。

裁判員制度までに音声認識システムによる調書作成は間に合わず!

2008年5月21日,最高裁が今現在の音声認識システムの研究開発状況について明らかにしました。

最高裁と速記官が5年以上前から論争してきたことですが,裁判員制度までに,音声認識システムにより,裁判員が公判調書など,文字で確認できるシステムを作ることは間に合いませんでした。
NECだけで約4億円,IBMから始めた5年間の成果は,映像や音声のインデックス機能に使えるだけ(書記官の支援が必要かも?)というものでした。

(参考)音声認識システムについてのこれまでの流れ
2003年 日本IBMが調書作成支援システム(仮称)を開発,
最高裁が紹介ビデオ作成
その後,なぜか日本IBMが頓挫

2005年 音声認識システムの研究開発業者を選定するための調達支援の業者としてNHKエンジニアリングサービスが選定される

2006年 音声認識システムの研究開発業者にNECが選定される
2007年 NEC契約更新,継続

…………………………………………………
音声認識システムの研究開発について

1 音声認識システムについては平成15年に調査研究に着手し,当初は,逐語調書の作成機能を中心に研究が行われたところであるが,その後裁判員裁判が平成21年年度から導入されることになり,当面,裁判員裁判での利用を念頭に置いて,裁判員裁判の具体的な運用等も視野に入れつつ,研究開発を進めている。

裁判員裁判では連日的に証拠調べが行われ,審理の後その記憶が鮮明なうちに速やかに評議が行われることから,公判調書を用いて証言内容を逐一確認する必要性は低いと考えられる。むしろ,裁判員裁判に求めるられるのは,評議において,一般人である裁判員等が法廷における証言内容を確認する必要が生じた場合に,映像・音声によって迅速に証言内容を確認することのできるツールであると考えられる。

そうした観点から,裁判員裁判の評議における裁判員等の記憶喚起等のために証人尋問等の録画に関する法制度が整備され,各裁判員法廷にこの録画・録音のための設備も整備されることになっているが,開発中の音声認識システムにより得られた文字データをこの映像・音声データとリンクさせ,文字データをいわばインデックスとして利用することによって,証言等の中から評議での確認に必要な部分を検索し,速やかに映像及び音声で再現することを念頭に置いて,映像関連機能として盛り込むことを前提としてシステム構築を行ってきたところである。

このような利用のためには,音声認識ソフトの性能向上が課題であったが,東京,横浜及び大阪の各地裁の法廷で収集した音声データやこれまでに蓄積してきた調書データを利用してして,言語モデル及び音響モデルの強化作業を行ったほか,検察官及び弁護人用のピンマイクの改良を図ったり,音声入力系の各種改良を図ることにより,認識率の向上が図られこのような利用に耐えうるものとなったと考えている。もっとも,コンピューターによる音声認識には自ずから技術的な限界があり,文字データに相応の誤認識部分が生じることは避けられないが文字データを検索のためにインデックスとして利用する上では大きな支障はないと考えている。

2 裁判員裁判の導入を間近に控え,今後は現場の意見を踏まえつつ,法廷環境に適合した最適なシステムとするために平成20年5月下旬ころから,一,二か月程度の間,東京地裁の4法廷(途中から法廷数を縮小予定)に映像・音声及び認識結果を統合するプロトタイプ(試作品)を設備して実際の事件の証言等を認識させるとともに,別紙のとおり,法廷や書記官室において書記官の実際の業務フローを念頭に置いたテスト運用を行ったり,可能であれば模擬裁判の評議等においても試用してもらうことを考えている。この際,裁判官及び書記官については事前にアンケート用紙を配布しておき,意見,要望等を適宜記載して提出してもらうことを予定しており,また検察官及び弁護人については当日アンケート用紙を配布し,その場で又は後日提出もらうことを考えている。なお東京地裁以外の職員にもプロトタイプの概要を伝えるために,各庁に対し,プロトタイプの主要な画面の遷移,音声認識の状況,検索方法等をパソコンで見ることができるようなCD-ROMを配布し,希望する職員に適宜見てもらい,意見,要望等があれば出してもらうことを予定している。

3 音声認識システムの操作画面及び機器構成については次のとおり作業を進めている。

(1)操作画面。
法廷,評議室,書記官室等の各操作場所での操作内容に応じて,裁判官や書記官等の操作のしやすさという観点から検討を進めている。

(2)機器構成については裁判官や書記官の操作のしやすさという観点や,静粛性,省スペース性等の法廷環境との調和という観点から検討を進めている。機器構成の大まかなイメージとしては音声認識用と画像制御用のタワー型パソコン2台とミキサー等の附属機器を1つのラックに収納して書記官卓子の下などに設置し,書記官卓子にはディスプレイ,キーボード及び録画用カメラを設置することを考えている。そのため音声認識システム等のOA機器の操作がしやすいよう,書記官卓子の形状を変更することも検討中である。また法廷内で法廷用IT機器と音声認識システムを操作することともなる書記官の負担を軽減するためにディスプレイとキーボードについては法廷用IT機器を構成するパソコンと共用し,切替機により音声認識用の画面と法廷用IT機器様の画面を切り替えることができるようにしたいと考えている(テスト運用で使用する機器等は調達の試用を念頭に置いたものとする予定であるが,調達手続の実施前であるので,そのとおり確定するものではない。また現行の書記官卓子ではラックに入れた機器類を卓子の下に置くことができないことも想定されるため,書記官卓子の横に置くなど法廷の現状に合った工夫等をすることも必要になる。)

4 また昨年度大阪地裁で収集した音声データを解析したところ,法廷内において関西語が使用されるケースが多くあり,標準語を使用する場合よりも認識率が低下することが判明したことから,より汎用性のあるシステムを構築するために本年度は関西語を対象とした研究開発を進める予定である。そのため,6月初旬ころから9月下旬ころにかけて,大阪地裁において,当初4法廷程度,最大8法廷程度で,更に250時間程度の音声データをの収集を行うことを予定している。

5 今年度はこのような作業を中心としてシステムの精度を高めて行く予定であり,平成20年12月ごろに更に複数の庁の法廷でテスト運用を実施し,最終評価を行う予定である。そして平成20年度中には,全国の裁判員法廷にシステム機器を設置し,システムを操作する職員等を対象に操作説明会を開催したり,業務フローに即したマニュアルを整備するなどして,実際の運用に備えたいと考えている。
………………………………………………

別紙で「プロトタイプテスト運用における職員の作業内容」の説明が付いてます。

そんな中に,次のような作業内容の説明もあります。

(4)メモの入力
作業主体:書記官
作業内容:必要に応じて評議等での検索に役立つような事項(証拠の提示,異議,手記命令等の証拠調べでの節目となるような手続に関する事項であり,ファンクションキーで入力できる。),書記官の備忘的事項等を入力する。

*必須の作業ではなく運用上は可能な範囲で必要に応じて行ってもらうことを想定している。

………………………………………………

何年も,何億も掛けて,インデックスに,やっと書記官の支援付きで使えるだろうという代物のようです。

最高裁の詭弁と屁理屈に掛かれば,これが立派なシステムで通用するのでしょうか。

早くもこんな記事も出ているようです。

裁判員制度:証言瞬時に文字化…最高裁が音声認識システム
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080529k0000m040115000c.html

はやとくん通信No.40

Hyousi40_2  「はやとくん通信 No.40」ができました。

抜粋記事をPDFファイルでアップしますので,興味のある方はお読みください→「hayatokun-newsletter40.pdf」をダウンロード

Contents

◎「弁護士3000人アンケート」の結果
◎「2008年(平成20年)度の裁判所速記官の配置状況」
◎  新しい速記官卓子について
◎ はやとくん学会デビュー!「情報処理学会における講演 」
◎ 裁判員裁判模擬法廷のこけら落としで リアルタイム速記報告in 大阪弁護士会
◎ 4月5日読売新聞夕刊コラム 法廷の「職人技」
◎ ステノキャプショナー(字幕速記者)養成

5/23朝日新聞「声」欄の記事 

朝日新聞5月23日付け朝刊「声」欄の記事に,次のような記事が掲載されました。

公正な裁判へ文字記録をぜひ

弁護士 鶴見祐策

 来年5月に裁判員制度が始まるのを前に、耳や目の不自由な人たちが最高裁に、障害者への対応の充実を申し入れたという(15日朝刊)。障害者が裁判員の選任の段階で排除されないよう、裁判を理解できる環境を求めたのは意義のあることだと思う。
 聴覚障害の裁判員には手話通訳や要約筆記者を手配すると、最高裁が回答したとのことだが、法廷での密度の高い論争や供述の応酬に、これで対応できるか疑問だ。裁判所は企業に発注して、発言者の音声を文字化する機械の開発を試みて久しいが、実用化にはほど遠い。
 一方、法廷の現場で働く速記官の努力により、廷内のやりとりをコンピューターを使い、同時進行でテレビ画面に文字表示できる「電子速記」が開発されている。この技術を可能にする速記官の不足を理由に、最高裁が取り入れようとしないのが残念でならない。
 文字による正確な法廷記録は、評議に加わる裁判員にとっても意見表明の論拠に欠かせず、公正な裁判の前提条件だ。

今,全国の裁判所で頻繁に行われている模擬裁判に,聴覚障害者の方たちにも参加していただいて,手話通訳,要約筆記,速記での情報保障を試してみるとよいと思います。

そうすれば,裁判所の受け入れ態勢も充実できるし,聴覚障害者の方の心配も収まるのではないかと思います。

聴覚障害があると言っても,聴覚障害の原因や種類,聞こえの程度が様々なため,ひとくくりにして対応するのは難しいと思います。

大きく は「中途失聴者」,「難聴者」,「ろう(あ)者」に分かれますが,その人の失聴年齢や残存聴力,言葉の理解力は様々で,裁判所もその人に合った情報保障ができるように研究しておく必要があるように思います。

速記官の不足と言っても,全国には270名もいるし,速記官のいない裁判所にはよそから填補で行くこともできるので,ぜひ速記官による逐語のリアルタイム字幕も試してもらいたいところです。

5/19 参議院決算委員会で前川きよしげ議員が質問

5月19日参議院決算委員会で,民主党の前川清成議員から,

「裁判員裁判においては速記録が必要!

1997年に裁判所が速記官の養成停止を決定したが,

裁判員制度が創設されたのは2004年,

1997年の最高裁の判断は間違っていたと思う。」

という趣旨の発言がありました。

詳しくは,参議院インターネット審議中継で御覧ください。

決算委員会

約5時間1分

http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/library/reference.php?page=1&cd=2695&tx_mode=consider&sel_kaigi_code=0&dt_singi_date_s=2008-01-18&dt_singi_date_e=2008-05-19&tx_speaker=&sel_speaker_join=AND&tx_anken=&sel_anken_join=AND&absdate=2008-05-19&sel_pageline=10&dt_calendarpoint=2008-04-20&abskaigi=no

質疑者
前川  清成(民主党・新緑風会・国民新・日本) のところで,

動画形式を選択して,30分過ぎのところです。

裁判員制度 視聴覚障害者の支援に速記官の活用を!

新聞などによると,裁判員制度において、視聴覚障害者が裁判員に選任された場合の情報保障については,点字通訳・手話通訳・要約筆記により支援を行うそうです。

視覚障害者には,裁判員への選任手続き段階で書類を点字に翻訳。法廷の審理は、口頭でのやりとりを前提とするため、証拠書類の点字化はしないが口頭で補足する。聴覚障害者には、要望があれば選任手続き時から手話通訳者要約筆記者を手配するそうです。

(参考)
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080514k0000e040075000c.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080515-00000113-san-soci
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080514-00000976-san-soci
http://www.47news.jp/CN/200805/CN2008051401000981.html
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080514-OYT1T00391.htm?from=main2
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/93443.html

この10年間ほど,速記官たちは最高裁に,聴覚障害者の裁判参加に速記官を活用してほしいと言い続けてきましたが,手配するのは「手話通訳者」と「要約筆記者」で,「速記官」の名前は挙がりませんでした。

国会でも,これまで最高裁は,速記官を裁判員制度に活用してはどうかと,民主党,共産党の議員さんから繰り返し質問されてきています。
共産党の井上参議院議員の2005年の質問は,まさしく「聴覚障害者の裁判に参加する権利を保障するため、リアルタイム速記による字幕表示を要求」(http://www.inoue-satoshi.com/kokkai/2005_162/houmu_050329.html)でした。

手話通訳は,正しく通訳されたかどうか,後で必要が出てきたときのために,手話をビデオに撮っておく必要があると思います。

要約筆記は,要約された情報で裁判員は判断することになりますが,それでいいのでしょうか。

速記官を活用すれば,すべて逐語で文字に残り,人の手配をしたり,費用を出したり,専門用語の研修をしたり,評議の守秘についても心配要りません。字幕表示がそのまま記録にもなるので,情報保障と記録取りを別々の手段で行わなくてもよく,二度手間にならず経済的です。

また,視覚障害者にとっても,外国のように,法廷速記者が文字データにしたものを,自動点訳ソフトを使って点字にする技術が開発されるかもしれません。

最高裁が,本気で視聴覚障害者の裁判参加を支援するつもりなら,当然「速記官」を挙げるはずですが,裁判員裁判で速記官が活躍して,養成再開の声が大きくなるのを心配しているのでしょう。

しかし,現役の速記官にとっては,目の前の仕事に,技術があるのに活用されず,使ってくれないというのは,とても寂しくて酷なことになります。

最高裁は,支援の方法を,手話通訳者,要約筆記者と制限せず,速記官も入れて,選択の幅を広げるべきだと思います。

ゲーム機で文字通訳

聴覚障害者への情報保障といえば,スクリーンにでかでかと文字を映し出すことだと思っていましたが,こんな方法があることを知りました。

【PSP】携帯型ゲーム機で字幕表示。メリットは。(毎日新聞)
http://mainichi.jp/life/health/news/20080501ddm013100002000c.html

この小さい画面に映し出すという目立たないところが,気軽にできる感じでよいです。

機材も,プロジェクターやスクリーンやケーブル類など,大掛かりなものが要らなくて,安上がりなのがよいです。

「はやとくん」もLANで文字情報を送れるので,なんとかすればできるかもしれません。

もしできたら,法廷やボランティアの字幕付けのときに活用できるかもしれません。

大掛かりでない情報保障という選択肢は,聴覚障害者の方には大げさでなく,速記官にはプレッシャーを減らし,会場は雰囲気を変えないというメリットがあるように思います。

法廷で使うことを考えても,裁判員法廷には備え付けの大きなモニターがありますが,プレゼンや書証の提示で占領されることも多いし,角度や距離の関係で見えにくいことも多いので,法廷のどこに座っていても手元で見られるというところがよいです。

早速これで宝塚観劇を実現したという快挙があったそうです。

■東京宝塚 「観劇で感激!」■
~人工内耳友の会[ACITA](あした)有志「宝塚観劇の会」の試み~
http://www2u.biglobe.ne.jp/~momo1/sub1/akemizo2.htm
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情報をくれたTANAKKさんに感謝!

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