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裁判員が確認したい場面、即座に再生…最高裁が新システム : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

リンク: 裁判員が確認したい場面、即座に再生…最高裁が新システム : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

裁判員が確認したい場面、即座に再生…最高裁が新システム
 来年5月に始まる裁判員制度に向け、最高裁は証人尋問などを録画し、裁判員が確認したい場面を即座に再生できるシステム(音声認識システム)を開発し、28日、公開した。

 このシステムは証人尋問や被告人質問での発言内容を自動的に文字データ化して映像とともに記録し、キーワードを入力すれば、該当の発言場面をすぐに呼び出せる仕組み。「実況見分」で検索すると、この言葉が使われた場面の一覧がモニターに表示され、その中から見たい映像を選べる。

 これまで正確な発言内容を確認するには、速記録などの書面ができあがるのを待つ必要があったが、このシステムを使えば瞬時に確認できる。開発費は4億円。最高裁は実際の裁判で試験運用し、今年度中に裁判員裁判が行われる全国60の地裁・支部に配備する予定。

(2008年5月28日22時49分 読売新聞)

読売新聞は,最高裁が説明したからこう書いたのでしょうが,わざわざ速記を引き合いに出して悪いイメージを擦り込んでいる記事に怒りを覚えます。

発言内容を確認するのは,もう50年も前から速記には訳読という制度があります。
「さっき何と言いましたか,速記官,そこを読み上げてください。」と言われれば,速記官がすばやく該当箇所を探して,速記符号を日本語に訳して法廷で読み上げるという制度です。

10年前までは,紙に印字された速記符号を読み上げていましたが,今は法廷にパソコンも一緒に持って入っていれば,リアルタイム速記システム「はやとくん」が瞬時に日本語に文字データ化してくれるので,読み上げも簡単です。バックスクロールも検索もその場でできます。

陪審制をとっている米国の裁判でも,法廷速記者がその点で珍重されているようです。米国製の一番新しい速記用タイプライターの「ステンチュラ・フュージョン」は,従来の検索機能に加えて,その箇所の音声を瞬時に再生する機能を持っています。

日本語対応型のステンチュラ・フュージョンも2年前に発売されているので,その機械を速記官に配布すれば,4億の開発費など必要なく,音声の再生ぐらいはできます。映像へのリンクも技術的に可能です。

確認するのに速記録を待つ必要があったなどと悪口を言う前に,速記官にステンチュラ・フュージョンを支給してもらいたいものです。
全国の速記官の80%以上が,自費で約50万円をかけてステンチュラを購入していますが,もう六,七年たっているので買い替え時期です。インクやバッテリーなどの消耗品も,私物を理由に最高裁は支給してくれないので大変です。

先日,速記官が1人しか配置されていない地裁で,証拠保全のための公判開始前の証人調べが行われ,2時間1人で立ち会い,その後すぐ2時間近く掛けて訳読を行ったことを聞きました。

最高裁が,「はやとくん」のシステムを見ようとさえしないのもひどいですが,速記官が実際にしている仕事ぐらい,正確に知って,間違った広報はしないようにしてほしいと思います。

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