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2009年3月

聴覚障害者の裁判員に対する情報保障の要望書(全難聴)の中身

全難聴が最高裁などに提出した要望書がこちらのHPに掲載されました。

リンク: 社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会.

聴覚障害者の裁判員に対する情報保障の要望書
http://www.zennancho.or.jp/info/090304youbosyo.pdf

それによると、選択肢として電子速記も要望されています。

裁判員制度に関する手話を使わない聴覚障害者の情報保障の要望について

1 中途失聴・難聴者は裁判員の候補者として呼び出しを受け、選任のための面接の時から情報保障が必要となります。事前質問票に要約筆記・補聴器+補聴支援システム・手話通訳・電子速記などの希望を記入する欄を設け、本人が選択できるようにして下さい。
2 裁判員裁判を行う裁判所は、上記希望する情報保障を用意してください。
3 手話使用模擬裁判と同じく,文字による情報保障を必要とする中途失聴・難聴者を裁判員とする模擬裁判を行ってください。

以前、うちのブログで御紹介した朝日新聞の記事(http://kimi-koni.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/asahicom---972d.html)には、「電子速記」の文字がありませんでした。
とはいえ、全難聴の要望書を一番に記事にしたのは朝日だったので、記事にしてくれただけよかったのですが。

続く毎日新聞の記事(http://kimi-koni.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/yomiuri-online-.html )も、なぜか要約筆記だけに焦点が当たり「電子速記」の文字がありません。

速記官にとっても仕事に一層やりがいを持てることにつながるので、全難聴の要望どおり「電子速記」も選択肢に入るとよいのですが。

聴覚障害者、不安募る 手話使用は18%のみ 模擬裁判、他手段用いず - 毎日jp(毎日新聞)

裁判所の聴覚障害者向けに行う模擬裁判が、手話でしか行わず、要約筆記や他手段を用いないことが問題となっています。

裁判所速記官は、10年も前から、手話を理解しない聴覚障害者や耳の遠いお年寄りの情報保障にも「はやとくん」による字幕が役立ちますよと、最高裁にずっと言い続けてきました。

模擬裁判も、始まった当初から、速記官も参加させてほしいと最高裁にずっと言い続けてきました。

速記官を情報保障の手段に用いた模擬裁判も、とうとう実現することなく終わりそうです。(弁護士会主催の模擬裁判では何度か試していただきましたが)

要約筆記だけではなく、裁判所には速記官がいるのだから、リアルタイム速記「はやとくん」による情報保障もぜひ試していただきたいものです。

リンク: 聴覚障害者、不安募る 手話使用は18%のみ 模擬裁判、他手段用いず - 毎日jp(毎日新聞).

◇迫る裁判員制度

 2カ月後に始まる裁判員制度を巡り「手話ができない難聴者や中途失聴者への対応が不十分」と、関係者から不安の声が上がっている。聴覚障害者を交えた模擬裁判では手話が用いられ、難聴者らが主に頼る要約筆記などを試行した例がないからだ。全日本難聴者・中途失聴者団体連合会(全難聴)は今月、最高裁や日本弁護士連合会などに要望書を提出し、難聴・中途失聴者を裁判員とする模擬裁判や、要約筆記者の研修などを求めている。【蒔田備憲】

 厚生労働省の「06年身体障害児・者実態調査」によると、聴覚障害者のコミュニケーション手段(複数回答)は、手話18・9%に対し、補聴器や人工内耳などが69・2%、筆談や会話の内容をメモやパソコンでまとめて伝える要約筆記が30・2%。先天的な聴覚障害は両親やろう学校の友人、先輩などを通して手話を習得する機会があるが、難聴者や中途失聴者は手話以外のコミュニケーション手段に頼る割合が高い。

 模擬裁判ではこれまでに、東京▽横浜▽和歌山▽山口の4地裁が聴覚障害者を裁判員役に選んで実施。京都地裁では聴覚障害者が「候補者」となったが、いずれのケースも普段から手話を用いていたため、各地裁は手話通訳者を介して審理や手続きをした。

 一方、難聴者を交えたり、要約筆記を導入したりした模擬裁判は一度も実施されていない。最高裁が今年1月に公表した報告書も、手話を使う聴覚障害者には触れているが、要約筆記や筆談についての記述はない。

 全難聴は「これでは安心して参加できない」と、制度開始前の模擬裁判実施を要望。最高裁は「要約筆記は適切な方法を検討中。難聴者のため、関係者にゆっくり、はっきり話すよう呼び掛ける」とするが、円滑な参加には不安が残っている。

◇経験が必要だ--聴覚障害のある田門浩弁護士(東京弁護士会)の話

 要約筆記は、手話通訳より時間がかかる。補聴器使用者が選ばれた場合、周囲が同時発言を避けたり、発言の際にきちんとマイクに向かったりするなど、配慮が必要になる。想定外の事態が起こる心配もあり、模擬裁判の経験が必要だ。

手話通訳による模擬裁判でも、こんな声が聞こえたそうです。

リンク: 聴覚障害者ら50人 裁判員に備え、手話法廷 : 神奈川 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

「手話通訳だけでなく、パソコンによる同時通訳など、もっと“情報保障”が必要」と指摘した。

(2009年3月21日 読売新聞)

asahi.com(朝日新聞社):裁判員制度向け「文字情報充実を」 難聴者団体が要望書 - 裁判員制度

朝日新聞に、次のような記事が掲載されています。(東京・名古屋版)

リンク: asahi.com(朝日新聞社):裁判員制度向け「文字情報充実を」 難聴者団体が要望書 - 裁判員制度.

 手話だけではなく、要約筆記など文字による情報も――。裁判員制度の開始を前に、全国の難聴者らでつくる「全日本難聴者・中途失聴者団体連合会」(東京都新宿区)の代表が4日、最高裁を訪れて要望書を出した。手話を使わない聴覚障害者が裁判員に選ばれたときのきめ細かい配慮を求めている。

 聴覚障害者は全国約600万人といわれる。厚生労働省が06年に実施した調査では、そのコミュニケーション手段は、補聴機器が69%、筆談・要約筆記が30%、手話が19%。病気や加齢、事故などで聞こえなくなった人の多くは手話は使わない。同連合会の川井節夫副理事長は「裁判の経過をしっかりつかめるかどうか心配がある」と話した。

 要望書は、こうした実情を説明したうえで(1)裁判所から呼び出しを受けた裁判員候補者が要約筆記や補聴器、手話通訳などコミュニケーションの手段を選べるようにしてほしい(2)中途失聴者や難聴者を裁判員とする模擬裁判を実施してほしい(3)要約筆記者らを研修してほしい――とした。

 各地の裁判所では、手話通訳者が加わった模擬裁判は行われてきたが、要約筆記者による模擬裁判は行われていない。最高裁は「実際の裁判では手話通訳者と要約筆記者は確保する。審理や評議のスピードも、それに合わせる。遠慮なく各地裁に問い合わせてほしい」としている。(岩田清隆)

速記官なら、スピードダウンや研修も必要ないので、聴覚障害者の方に安心して参加してもらえるように、法廷の「文字情報充実」に、速記官も利用してもらえるようにできればよいのですが。

要約筆記を利用した模擬裁判が開かれてないとのことですが、速記官と「はやとくん」を利用した模擬裁判も開かれていません。
速記官たちもずっと要望してきたのですが、開かれることなく本番を迎えそうです。

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