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2009年7月

ステノグラフ社の新製品ディアマンテ(Diamante)

Diamante_150 7月27日,ステノグラフ社から新製品登場です。
名前はディアマンテ(Diamante),ディスプレイが大きく,パソコンと速記用タイプライターが一つになったような形で,これがあればパソコンを持ち運ぶ必要がなく身軽に仕事ができるそうです。

詳しくはこちらを御覧ください。ビデオ映像もあります。

リンク: Diamante writer from Stenograph.

ステンチュラ・フュージョンの注文を取りまとめます

 日本に初めてステンチュラを輸入したのは,1999年夏です。

 17台のステンチュラ6000LXを輸入しました。

 私も1台,約40万円で購入しました。

 最初の3年は,最高裁が不当にステンチュラの法廷での使用を禁じていたので,余り使えませんでしたが,使用が認められてからは,ほぼ毎日使用しています。

 1台目を買うときも高額なのでかなり大変でしたが,10年たってまさか2台目の購入を考えることになるとは。

 仕事に支障を来す怖さを考えれば,ここらで2台目を買うべきか・・・

 大学に子供が2人行ってて,まだ1人残ってて大変なんだけどな・・・

 最高裁は,口では速記官の環境整備や,健康を気遣うようなことを言いますが,速記官に対して意地悪で,裁判の現場に無責任な態度は全く変わりないなと思います。

 裁判所法の一部改正のときにこんな附帯決議までされましたが,速記官は皆,購入したステンチュラがいつ壊れるかと,日々不安に思いながら仕事をしています。

附帯決議(平成一六年三月三○日)
政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、裁判員制度導入等も展望しつつ、逐語録に対する需要に的確にこたえられる態勢を整備するとともに、裁判所速記官が将来の執務態勢及び執務環境等について不安感を抱くことのないよう十分な配慮をすべきである。

 ステンチュラ・フュージョンの注文のしかたは,近々配布の「はやとくん通信」に掲載していますので,購入を考えている方はこの機会にぜひどうぞ。

1分間に280語打てるアメリカの”おばさん”

YouTubeで見つけました。

1分間に280語打てるスーパーおばさんです。

日本では,最初の2年間の研修時代にしかスピード記録を作る機会がないですが,最高250語の記録で終わっています。

言語の違いはあっても,280語はすごいです。

アメリカの280語の記録保持者は,”おばさん”ってところにちょっと勇気をもらって,日本のおばさん速記官も,日々,技術の向上にがんばりましょう。

YouTubeでは,まだたくさん速記者の動画が掲載されています。「Court Repoter」で検索して,楽しんでください。

http://www.youtube.com/

ASCII.jp:NEC、経路制御や裁判員を支える音声認識などを公開

こんな記事を見つけました。
「裁判員を支える音声認識」だそうです。

リンク: ASCII.jp:NEC、経路制御や裁判員を支える音声認識などを公開.

裁判員裁判を支える音声認識技術  このVoiceGraphyの技術は、いよいよ始まった裁判員裁判用法廷への採用も決まっているという。裁判員裁判では、法廷で行なわれた被告人質問などの内容をテキスト化し、裁判官と裁判員が行なう評議の資料として使う。すでに新聞テレビなどで報じられているが、このテキスト化にはNECの音声認識技術が使われているのだ。

 すでに、裁判員裁判を行なうすべての法廷に導入されており、8月の裁判員裁判の公判を目標に、検証が行なわれているという。方言を話す多くの人も公式の場では標準語を使うが、関西弁の人はそのまま関西弁を使うことが多いという。そのため、本製品においても、標準語に加えて関西弁の認識が対応済みとなっている。

いかにも法廷のやり取りが,すぐテキストになって評議のときに資料として配られると,誤解されそうな記事です。
実際は,映像と音声のインデックスとしてしか使えないもので,それも2割以上の確率で誤変換しているので,検索しても漏れるところが多々出てきそうです。

関西弁が対応済みなのは,音声認識研究の総本山の京都大学が関西にあるので当たり前で,そのほかの地方の方言・なまりは未対応のまま手つかずです。

方言だけでなく,通訳人などの言葉も認識できないようです。

また,音声認識の誤変換は,言ったことと違っても,文字的には正しい文字と文章で出てくるので,読むと間違った方向につい引っ張られてしまいます。
誤変換があると分かっていても,活字になっているのを読むとつい信じてしまうのが人間で,評議のときに音声認識で文字化したそのままが表示されるのは,とても危険なことだと思います。

音声認識で文字化されたものを利用して公判調書を作成するのも,間違いのもとだと思います。

音声認識を信じる最高裁のお偉いさんが,この10年,速記官制度を廃止に向かって進めてきました。

まだ未熟な音声認識システムを入れることは,裁判員を支えるどころか,支柱を外しているのではないかと思います。

とにかく今,法廷では,音声認識の機械に場所は取られるし,騒音と熱風で証言が聞き取りづらく,とても邪魔になってます。
4億円も掛けてわざわざ環境を悪くしている感じです。

7/4東京新聞:裁判員「メモなし」で本当に大丈夫? :社会(TOKYO Web)

7/4の東京新聞の記事です。

リンク: 東京新聞:裁判員「メモなし」で本当に大丈夫? :社会(TOKYO Web).

 「メモを取らないでください」。裁判員裁判の法廷では、裁判長がそんな注意を裁判員に促すことになりそうだ。「見て聞いて分かる裁判」のはずだからメモは不要というのがその理由。裁判官と裁判員が評議の場で被告や証人らの発言内容を確かめる手段も収録映像に限られ、文字情報は提供されないという。「あいまいな記憶だけでは、公正な判断はできない。正確に記録した文字情報が不可欠だ」との声が弁護士から出ている。

 最高裁によると、全国で行った模擬裁判を検証したところ、裁判員が法廷でメモを取ることについて消極的な裁判官が大半を占めた。理由は、(1)目の前のやりとりに気が回らなくなる恐れがある(2)やりとりを忘れても評議の際に映像で確認できる-だった。

 法廷には、カメラとマイクで発言内容とその様子を録音・録画する音声認識システムが設置される。キーワードや発言者を入力して検索すると、知りたい発言部分が映像と文字で再生できる。

 これに対し、埼玉や大阪などの弁護士会は速記録の活用を求めている。埼玉弁護士会は五月、評議での音声認識システムの映像の利用について「正確な証言を必要に応じて確認しながら行うことは困難」と会長声明で指摘した。

 速記官による記録は、文字の誤変換トラブルが起きる音声認識システムとは違って正確で、書面なら証人の発言内容を比較検討しやすいなどの利点がある。今では、キーを打ち込むと即座に日本語の文字に変換される電子速記装置が普及。関東の女性速記官は「審理終了と同時に裁判員に速記録を手渡すことは技術的に可能」と話す。

 聴覚障害者からも速記録を求める声がある。手話ができる人は全体の一割程度しかいないからだ。全日本ろうあ連盟の西滝憲彦理事は「情報が保障されるよう一人一人のニーズに合った支援策を求めている。速記録や要約筆記など文字による情報伝達もその一つだ」とする。

(中日新聞)

次の落合弁護士のブログのコメントも必見です。
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20090705

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